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と -- (てす) 2010-03-18 01 36 29 た あ -- (てす) 2010-03-18 01 36 39 す -- (てす) 2010-03-18 01 38 10 メニュー欄の「以下ニコニコ動画閲覧注意」は必要ないと思う スレでうpされたものがニコニコにうpし直されてるだけだし外部プレーヤーなので -- (でび) 2010-03-18 01 45 07 ニコニコって時点で嫌悪感示す人もいるだろうしニコ厨を許容したと思われたくなかったので一応書いておいたけど不要だったか コメント形式だからここは避難所とかには使えなさそうだね -- (名無しさん) 2010-03-18 14 08 45 偽公式凍結されてっぞ ftpパス公開されてたからか? -- (名無しさん) 2010-03-18 21 00 42 偽公式が・・・ -- (名無しさん) 2010-03-18 21 37 30 夏合宿のSSは? -- (名無しさん) 2010-03-18 23 45 53 追加したSSのタイトルを変更したら ページのリンクが切れちゃうから注意だね -- (名無しさん) 2010-03-23 20 26 12 TOPからみみずんの過去ログが全部消されてます… -- (名無しさん) 2010-05-04 11 28 04 みみずん復帰しときました -- (名無しさん) 2010-05-16 10 04 17
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琴吹家 斎藤「お帰りなさいませ、紬お嬢様」 紬「ただいま斎藤」 紬「~♪~♪」 斎藤「差し出がましいようですが、何か良いことでもあったのですか?」 紬「ええ。でも斎藤もお父様も人が悪いわ。やっぱり用心棒を雇っていたなんて」 斎藤「は、はぁ…」 斎藤(用心棒の件はお嬢様の猛反対もあり、結局無しになっていたと思いましたが…はて…?) 紬「でも、あんな可愛らしい用心棒サンなら私大歓迎よ♪」 斎藤(おそらくお嬢様の身を案じた旦那様がやはり用心棒を要請していたのでしょう) 斎藤(いつの時代も親は子を想うものでございます) 斎藤(この斎藤、旦那様の紬お嬢様に対する愛で涙が…)よよよ… 紬「あんな刺激的な体験…お父様からいただいたどんなプレゼントより素敵だったわ~♪」 斎藤「それはようございました。紬お嬢様」 翌朝 琴吹家 斎藤「本日のお帰りは?」 紬「今日はバイトもないのでいつもの時間には帰ってくるわ」 斎藤「左様で、ではご夕食の準備もいつもと同様の時間にいたします」 紬「ええ、ありがとう。今日はお父様は?」 斎藤「旦那様は本日お客様がいらっしゃるらしいので、ご夕食は一緒にはなさらないと仰っておりました」 紬「そう。お客様って?」 斎藤「わたくしは存じあげておりませんが…。旦那様にとって大切な方だと聞いております」 紬「お友達かしら?」 斎藤「紬お嬢様。そろそろお屋敷を出ませんと…」 紬「ええ、そうね」 斎藤「行ってらっしゃいませ、お嬢様」 紬「いってきます」 同時刻 平沢家 憂「お姉ちゃん! 早く早く!」 唯「待って憂!!」 平沢父「唯はもっと余裕をもって行動しないとな…」 唯「あれ? お父さん、今日はお休みじゃなかったの?」 平沢父「ああ、報告のために今日だけ会社に行かなきゃならないんだ」 唯「へ~、大変だね~」 平沢父「働く者の義務だよ」 平沢母「唯の義務はとりあえずのところ、学校に遅刻しないで行くことね」 唯「うわっ!! そうだった!!」 憂「おね~~ちゃ~~ん!!」 唯「い、いってきます!!」 放課後 澪「今日は久しぶりにみんなで合わせることができるな」 梓「茜はまだ無理ですけどね」 茜「ご、ごめんなさい。足手まといの初心者で…」 梓「いや、そういう意味で言ったんじゃないからね?」 澪「茜にも音を合わせる楽しさを早くわかってほしいと思ってるよ」 茜「…はい。がんばります」 律「しっかし、ユーフォニアムっていうの? 私初めて見たな~」 唯「重そうだし、演奏も大変そうだよね~」 律「どれどれ…、って重っ!! ぜんぜん持ち上がらな…」 茜「さ、触らないで!!」 律「!?」ビクッ!! 茜「あ、す、すみません…デリケートなものですから…つい…」 律「い、いやいや…私も勝手に触って悪かったよ…あ、あははは…」 律(茜ってあんなに大声出せるんだな…正直メッチャビビった) 澪「こら律! このユーフォニアムは茜にとってすごく大事な物ってわかってるだろ?」 律「うん…ごめんね茜」 茜「いえ…私も怒鳴ってすみませんでした。でもこれからは充分気をつけてもらうと嬉しいです」 律「わかりました」 唯「あはは。りっちゃんなんだか素直~」 律(なんか、本当に怖かった…) 紬「じゃあ今日は茜ちゃんに私たちの演奏を聞いてもらいましょ」 梓「そういえば、まだ聞いてもらってなかったですね」 唯「じゃあ今日はデビちゃんのためだけのコンサートね!」 澪「そうだな、いいかも!」 律「よし! お詫びの印にいっちょやったりますか!」 ~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪ 唯「じゃ~ん♪ っと」 梓「どう…だった?」 茜「す、すごいです…」 茜「私、こんなの初めてです!」 茜「こういうの初めて聴いたのに、みなさんの気持ちが伝わってくるようでした!」 茜「音楽って、ここまで人を感動させるものなんですね!」 紬「うふふ、よかったわ♪」 澪「いつか茜もそのユーフォニアムで人に感動を与えることができるんだよ」 茜「!?」 律「そうそう、茜のお父さんだってそうなったらきっと喜んでくれると思うよ」 律「重いユーフォニアムだけに想いも伝わる…ってか~」 唯「りっちゃんクッサ~……」 律「な、なんだとー!!」 茜「お父さん…想い…」 茜「そんな…私に…できるでしょうか?」 澪「もちろん!」 梓「それに一人じゃないよ。一緒にやった方がもっと楽しいんだから」 唯「そうだよ~デビちゃん。がんばって練習しようね」 梓「唯先輩ももっと練習してくださいね。さっきの演奏だって間違ったところが幾つか…」 唯「あぅ~…」 律「そうだぞ~唯。ほんとにお前はダメダメだな~」 澪「人の事言えるドラミングじゃなかっただろ!」ゴチン! 律「あいてっ☆」 紬「うふふ」 茜(…私が…お父さんのユーフォニアムでみんなに感動を与える演奏を?) 茜(きっと…そんな資格なんて…ない…) 紬(…茜ちゃん?) ・ ・ ・ ・ ・ 唯「デビちゃん、今日は購買いいの?」 茜「そういえば!? 行ってきます!!」 梓「毎日大変だね…」 茜「ううん。楽しい…よ?」 梓「そ、そう?」 茜「あの…それと、ムギ先輩ちょっといいですか?」 紬「なに?」 茜「この後…予定とかありますか?」 紬「特にないわね」 茜「じ、じゃあ…部活が終わったらあのハンバーガー屋さんにきていただけますか? だ、大事な話があるので…」 紬「ええ。わかったわ」 茜「それでは、失礼します」 唯「じゃあね~デビちゃん」 律「なんだ~ムギ。えらく茜と仲良くなってないか?」 紬「うふふ。ヒミツ」 唯「なになに? なんだかドキドキしてきちゃった!」 紬「茜ちゃんと私は赤い糸で結ばれてるのよ」 紬「だって、私の王子様みたいなものですもの」 律「ムギが澪みたいな思考の持ち主に…」 澪「おい…」 梓「でも、昨日くらいから傍から見ても2人が仲良くなってるのがわかりました」 唯「ねぇねぇ、何があったの~?」 紬「だから、ヒ・ミ・ツ」 澪(二人だけの秘密の……か。ふふふ…) 律(澪の甘々作詞フラグがきたな、こりゃ…) マックスバーガー 紬「で、話って?」 茜「昨日のテロリストのアジトがわかったんです」 紬「そ、そうなの!?」 茜「はい、それでその事を依頼主、つまり琴吹社の社長に報告へ行こうと思ってたんですけど…」 茜「私との契約は表沙汰になると相手側に迷惑がかかる可能性があるので…」 紬「それで、私を通じてお父様に、って事?」 茜「…はい。電話も盗聴の可能性が捨てきれないので…」 紬「私、どうすればいいの?」 茜「今日は社長はご自宅に?」 紬「ええ…。あっ!? そうか。お父様の大事なお客様って茜ちゃんのことだったのね」 茜「……」 茜「はい…きっとそうだと思います」 紬「だから斎藤も詳しくは知らなかったわけね」 茜「ムギ先輩の屋敷まで、私をムギ先輩の友人として招き入れてほしいんです」 紬「わかったわ。それなら簡単ね。だって本当に友達なんですもの」 茜「そこで注意していただきたいのは できるだけ屋敷の人間には会わないようにしていただきたいんです」 茜「ムギ先輩の屋敷の中にも裏社会に通じている人間がいないとも限らないので… こういう職業柄、あまりそういう人目につくのは得策じゃないんで…」 紬「ええ。そうね。確かに大きな会社になればそんな裏の面も受け入れなければいけないのも理解してるわ」 紬「じゃあ、こっそりとお父様の部屋まで茜ちゃんを誘導していけばいいのね?」 茜「はい…すみません。それから後は私にお任せいただければ…」 紬「うふふ。なんだか楽しそうね♪」 茜「そ、そうですか…?」 紬「でも、残念だな~。私、茜ちゃんに告白されちゃうかもって、ドキドキしてここまできたのよ?」 茜「こ、こくは…!?」 紬「うふふ。冗談よ。忘れて」 茜「は、はぁ…」 紬「それじゃあ、行きましょう」 琴吹家 紬父自室 平沢「いやはや、波乱に満ちた旅でしたよ」 琴吹「君には本当に感謝しているよ…奥方も元気かね?」 平沢「はい、妻は僕なんかよりもピンピンしてます」 琴吹「どの世界でも女性は強いな」 平沢「まったく…」 琴吹「ところで例の報告の件。聞こうか」 平沢「ええ…。やはり社長の睨んでいた通り ある外国の企業がこのテロの引き金を引いていたみたいですね」 琴吹「やはりな…」 平沢「ただ、テロ組織もそこまで本気で企てる気はなかったようですが」 平沢「当面の活動資金のあてができたくらいの思いだったようです」 平沢「彼らにとっては日本の企業にテロを仕掛けてもあまり旨みはありませんからね」 琴吹「脅し止まり、というわけか…」 平沢「まだ日本は世界では舐められた立場にいます。脅せば腰が引ける 黒幕の企業もそう考えているのかもしれません」 斎藤「旦那様、お茶をお持ちいたしました」 琴吹「入れ」 斎藤「失礼いたします」 平沢「やぁ、斎藤さん。憂がお世話になったみたいで」 斎藤「いえ、憂様の気丈な振る舞い。この斎藤も感服いたしました」 斎藤「将来はこの琴吹家政婦サービスへの就職もこちらからお願いしたいくらいでございます」 平沢「確かに憂はメイドをやらせたらなんでもこなすでしょうね」 斎藤「はい」 平沢「しかし問題は長女の方でして…」 琴吹「紬からよく話を聞いてるよ。元気でとても楽しい子だと」 平沢「ええ。それだけが取り柄というか、何と言うか…」 平沢「なにぶん妹が出来る子なので、家事など女らしいことはなにも…」 平沢「しかも僕も妻もあまり家にいることが少なく、たまに帰っても甘やかしてばかりなので…」 琴吹「私も一緒だよ、どうしても娘には甘くなる」 平沢「やはり、どこの家庭でも同じですね」 琴吹「ああ。親の職業が会社社長でも、スパイでも。な」 平沢「ははっ、娘に関しては職業も何も関係ありませんね」 琴吹「ところで、先程の話の続きだが…。日本には実力行使は無いと思っていいのかね?」 平沢「ええ。それはあり得ないと思います。人員もそうですが 武器などもこの日本に持ち込む事は難しいですからね。日本の警察も有能です」 平沢「なにも危険を承知でやってくるほどあちらさんからとっては それほど今回のテロの件は重要でもないらしくって」 琴吹「なるほど…では、この件はもう問題視しなくてもよいと?」 平沢「それが…、実は彼らも一枚岩ではないようで…」 琴吹「と、言うと?」 平沢「調べて行く内に色々興味深いことが出てきましてね」 平沢「組織の本部とはまた違う末端の小さなグループで色々と厄介なことがあるようで…」 平沢「僕もこういう人間なので、必要以上に深入りしてしまいまして…」 琴吹「だから今回はヤツらに捕まって連絡が取れなかったと…」 平沢「はい、お恥ずかしい限りで…。その点はご迷惑をお掛けしました」 平沢「しかし、おかげで面白い人物から話が聞けたんです」 平沢「…いや面白いと感じるのは僕だけかもしれませんが」 琴吹「ほほぅ…話してくれるかね?」 平沢「10年程前にこの会社が関わった中東でのテロ。覚えていらっしゃいますか?」 琴吹「ああ…あれは忘れられるわけがない…」 琴吹「我が社の行った人道支援。地元の人間に護衛を頼んだのがいけなかったのだ…」 平沢「ええ。テロ組織と内通してる者がいて裏切りにあい、そしてほぼ全滅した」 琴吹「地元の人間にも多数犠牲が出た。孤児もたくさん生まれたと聞く…」 平沢「しかも、地元の人間はそれがこの会社の仕業だと信じて疑わない者もいます」 琴吹「…そうか」 平沢「そしてまさにこの会社が悪だと教え込まれた子供達が今回のテロ騒動の一員になっているんです」 平沢「親の仇と信じて疑わない子供たちが」 琴吹「では…」 平沢「ええ、その子供達が日本へ乗り込んでくれば必ずここを狙ってくるはずです」 琴吹「子供が…しかし、キミは先程日本の警察が優秀だから武器などは持ち込めないと…」 平沢「それが、そうでもないんです」 平沢「その子供は現地でも恐れられるくらいの実力の持ち主でして」 平沢「しかもその武器はまったく武器に見えないので平然と持ち運びできます」 平沢「だから日本への持ち込みもおそらく簡単にしてくるでしょう」 琴吹「うむ…。で、その武器というのは…?」 平沢「はい…ユーフォニアムという管楽器を改造したものだと聞きました」 ・ ・ ・ ・ ・ 紬「ところで茜ちゃん。なんでユーフォニアム持ってきたの?」 茜「雇い主の社長への報告の後、テロの連中へ対して親の仇を討ちに行くんです」 茜「だから、お父さんにも見ててほしくって」 紬「そう…でも、あまり無茶しないでね…」 茜「……」 紬「いいわよ。誰もいないわ。今のうちに」 茜「はい…」 ・ ・ ・ ・ ・ 紬「お父様の部屋までもうすぐよ。 誰にも見つからないようにってなんだかドキドキするわ♪」 茜(お父さん…もうすぐ……!!) ・ ・ ・ ・ ・ 琴吹「もう日本に来ているのだろうか…?」 平沢「つい最近まで僕は捕まってましたのでその辺りの情報は定かではありませんが…」 平沢「それと、もう一つの情報としてそのユーフォニアムの使い手は日本人の女の子です」 平沢「下手すると、もう入り込まれている可能性もあります」 琴吹「なんという事だ…」 平沢「しかし防ぐ手立ても考えてあります」 琴吹「そうなのかね?」 平沢「ええ。それについて社長に会わせたい人がいるんです 少し衰弱していたのであちらの病院で入院されていたのですが 昨日退院したとの連絡が入ったので、日本まで来ていただきました もうすぐこちらへ到着すると思いますが…」 琴吹「そうか…では、その方が来るまでキミの今までの海外のみやげ話でも…」 斎藤「どうでしょうか?そのお話と共に、このあたりでお食事にしては…」 琴吹「ああ。それがいい。キミも食べて行きたまえ」 平沢「ちょうど僕もお腹が空いてきたなと思ったところです」 斎藤「それでは準備をしてまいりますので、少々お待ちを…」 ・ ・ ・ ・ ・ 紬「ほら、ここがお父様の部屋よ」 茜「ゴクリ…」 ガチャ 紬茜「!?」 斎藤「これは紬お嬢様、お帰りなさいませ。旦那様なら今はお客様のご相手を…」 斎藤「おや? そちらの方はご学友ですかな?」 紬「え、ええ…そうなのよ」 茜「……」 斎藤(あの楽器は…!! まさか!!) 斎藤「お嬢様!! その方からお離れくださいっ!!」 紬「へっ?」 茜「…動かないで」 斎藤「ぐっ……!!」 紬「茜…ちゃん…? いったい、なにを…?」 茜「今、私がこのユーフォニアムを吹いたらこの方は木っ端微塵になります」 茜「わかりますね?」 斎藤「……どうぞ穏便にお願いいたします」 紬「えっ? 何を言ってるの? 茜ちゃん?」 茜「ムギ先輩…その扉をゆっくりと開けて中へ…」 茜「あなたは下がってください」 斎藤「……かしこまりました」 紬「ねぇ? 何がどうなってるの!?」 茜「あなたを殺しにきました」 紬「!?」 紬「でも、私を助けてくれたじゃない…」 茜「ハンバーガーショップであなたを襲った彼らは私と仲間です 私をあなたに信じ込ませることでこのチャンスを伺っていました」 紬「そんな…!!」 ・ ・ ・ ・ ・ prrrrrrrrr… 平沢「おっと失礼…妻からです 僕が家族に内緒で美味しい食事をすることを恨んでいるかもしれないな」 平沢「もしもし…」 妻『あなた!! 大変なの!!』 平沢「どうしたんだい? そんなに慌てて」 妻『唯の学校に来たっていう転校生、気になって調べてみたんだけど…』 \お嬢様!! その方からお離れくださいっ!!/ 琴吹「ん? なんだ? 騒がしいな…」 妻『その子が、例の日本人テロリストなのよ!!』 平沢「なん…だと…!?」 琴吹「どうしたのかね、平沢くん」 平沢「社長! 大変です!! 思ったより事態は……!!」 ガチャ 紬「お、お父様……」 琴吹「つ、紬……」 茜「……」 平沢「き、キミはっ!? そうか、もうすでに……!!」 茜「やっと……。私が…この日をどんなに待ちわびたことか…」 琴吹「紬を離してやってくれないか…?」 茜「お断りします」 琴吹「キミの目的はこの私だろう…」 茜「…いえ…あなたを殺してしまうなんて、そんな楽なことしません」 茜「それよりも…目の前で娘の死を見た方がよっぽど苦しいと思いませんか?」 紬「!?」 茜「大切な人を殺されて…生きていく方が…辛いと思いませんか?」 琴吹「お、お願いだ…やめてくれ…」 茜「父も…そう言って死んでいったのかもしれません いえ……違います。父はそんなに腰抜けではありませんでした」 平沢「三浦茜さん…だね…。お父さんは、元傭兵」 茜「やはり…知っている人は知ってるんですね…。用心していたかいがありました」 茜「10年前、あなたの会社が人道支援だと謳いながらも、私たちの村を滅茶苦茶にした」 茜「安物の機械ばかりを持ってきて不具合で爆発を起こし、村の人がたくさん死んだ そしてその失態の口封じのために父を…みんなを殺した」 茜「世間には表に出てないけど、私は一生忘れない!!」 平沢「違う! それは間違いだ!」 茜「うるさい!! こんな裕福な国に住み、私腹を肥やすヤツらに何がわかる!!」 紬「お父様…本当ですか…!!」 琴吹「確かに…起こった事柄はおおよそその通りだ」 紬「じ、じゃあ…!!」 茜「くっ! やっぱり!!」 琴吹「しかし、その娘が言っていることは事実ではないっ!!」 茜「だ、黙れ!!」 平沢「社長…あまり彼女を刺激してはいけない…」 平沢(こちらにはとっておきの切り札があるが…間に合うか…!?) 紬「茜ちゃん…」 茜「……!?」 紬「私、あなたがそんな思いで日本にきてたなんて思いもしなかった…」 紬「だって、あなた、私たちと一緒に居るとき本当にとても楽しそうに見えたのよ」 茜「……」 紬「でも、もし私を殺すことで、あなたの気持ちが晴れるなら…」 紬「私を殺してください」 茜「!?」 琴吹「つ、紬!!」 平沢「馬鹿なこと言っちゃいけない!!」 紬「いいえ、お父様。不幸の連鎖はどこかで断ち切らなければいけないのです」 紬「だから、私が死んでも。茜ちゃんを恨まないでやってほしいの」 紬「それが…娘からの…最後の…願いです…」 紬「さぁ…茜ちゃん。そのユーフォニアムを吹いてちょうだい」 紬「その音色と共に私は消えてなくなるのね…」 紬「でも。忘れないで…私と食べた牛丼の味…」 紬「ウルトラデラックス特盛り牛丼 税込1500円 私は並盛300円」 紬「あなたが食べた分だけで私の時給約2時間分…」 茜「……」 紬「あと、あなたのお母様へのお持ち帰りはゴージャストロトロ角煮丼 国産の最高級ブランド豚を贅沢に使った本格派。それを一日かけてじっくり煮込んで 調味料類も一級品ばかりを惜しみなく使った自慢の逸品」 紬「あのお店では一日3品限定。あの日は運良く残っていたのよ ちなみにお値段は高級品をふんだんに使っているせいか 2500円」 茜「……ゴクリ」 紬「うふふ。実は隠しメニューなの。りっちゃんが教えてくれたのよ?」 茜(だからか…お母さんだけ…ずるい…!!) 紬「あら?やっぱり茜ちゃんもそっちの方がよかった?」 茜「は、はい……って!?」フルフル 平沢(さ、さすが琴吹家ご令嬢! あちらのペースを乱している!!) 紬「あと、みんなには黙っていたけど部活に持っていってるお菓子」 紬「あれ最近は全部私の自腹なの」 茜「!?」 紬「バイト代はほとんどそれに消えていったわ」 茜「そ、そうだったんですか……」 紬「以前なら我が家へ訪問に来るお客様はなにかしらお土産を手に来てくださったのだけど…」 紬「最近じゃ折からの不況でめっきり減っちゃってね…」 紬「さすがに、ストックもなくなってきちゃったのよ」 紬「ほら、今いるお父様のお客様もどうやら手ぶらでいらっしゃったようだし」 琴吹「……」 平沢(……ごめんなさい) 紬「しかも、夕食まで食べようとしていらっしゃったのね?」 平沢(唯…お前の友達はとてもすごい人だよ…あの危険な空気を一変させてしまった…) 紬「ただでいただくディナーはさぞかし美味しいことでしょうね」 平沢(しかし…あまりにも辛辣すぎる…)グサグサ 茜「す、少し黙っててください…」 紬「はい」 茜(あれっ?) 紬「……」 茜(な、なんで急に…) 紬「……」 平沢(うまいぞ…これで時間が稼げる) 茜「牛丼は美味しかったです。でもそれとこれとは話しが違います」 平沢(くっ…やはり10年もの私怨は簡単には…!!) 茜「あなたを殺したら今度は自分でゴージャストロトロ角煮丼を注文に行きます!!」 平沢(そっちか…!!) 紬(やっぱり…ダメなの…!!) 「やめるんだ! 茜!!」 茜「!?」 茜父「もう、やめるんだ…」 茜「お、おとう……さん?」 平沢(間に合った!!) 茜「な、なんで……?」 茜父「そこの平沢さんに助けていただいてね」 茜父「キミは組織に騙されているんだよ あの爆発はお金に目が眩んだ何人かの村の者が仕掛けたんだ」 茜父「欲に負け、テロリスト共に利用されたんだ…」 茜父「日本の機材は質も良く高値で売れる。そうやって、たらし込まれたのだろう」 茜父「貧しい国だ…そうなってしまうのも仕方がないかもしれない…」 茜「まさか、お父さんのユーフォニアムを私に渡してくれたあのオジサンが…!?」 茜父「そうかも…しれない…」 茜「……くっ!!」 茜父「真実を知ってしまった私だったがヤツらには抵抗のしようもなかった… 何故なら茜や妻が人質のようなものだったからね…」 茜父「その後、私は収容所のようなところに入れられ強制的に働かされていた 生かさず、殺さずに…ね 」 茜父「なんども逃げ出そうと…皆に真実を伝えようと思った…」 茜父「しかし人間の扱いをうけない私たちはいつからか無気力になってしまってね」 茜父「最初の1年で諦めてしまったんだ…」 茜父「それからは奴隷のような日々が待っていた…」 茜父「同じようにして捕らえられた仲間も何人も死んでいった…」 茜父「だが、最近になってそちらの平沢さんが捕まって私たちの収容所へ入ってきた」 平沢「そう、そして10年前の真実を知った僕は何とかしてこの事実を知る人達を救い出そうとした」 平沢「琴吹インダストリーの力を借りてね」 茜「そんな…じゃあ私は…」 茜父「ヤツらはお前の殺し屋としての才能に気づいた… そしてなんと言ってもそのユーフォニアムを扱える唯一の人物」 茜父「組織はそれを利用しようとしたんだろう…だから憎ませることで強くしようとした」 茜「じ、じゃあ、私の…私の10年は…いったい…」 茜父「そのユーフォニアムはお父さんが戦争で殺してしまった人への鎮魂歌を戦場で 奏でるために自分で武器として改造したものなんだ…」 茜父「許されることではないことはわかっている。でも生きることで必死だった」 茜父「でも、茜にはそのユーフォニアムを戦場で響かすのではなく ステージで人を感動させる楽器として使ってほしかったんだ… 想いを伝える道具として…」 茜「人を…感動…音楽を…奏でる…想いを…伝える……!!」 茜「私…今までも…これからも…こんな生き方しかできないって…思ってた…」 茜「でも、日本に来て…軽音部の皆さんに会って…こんな世界もあるんだって…」 茜「本当は…私だってムギ先輩達と一緒に…演奏がしたい…普通に生きてみたい、って…」 茜「いつも……笑って過ごしてみたいって……!!」 茜「でも、お父さんが殺されたって…ずっと…ずっと、そうやって教えられてきたから…」 茜父「そうだね、でもお父さんはこうやって生きてるよ 茜ももう普通の女の子に戻っていいんだよ。今まで辛かったね」 茜「お父さん……お父さん……」 茜父「さぁおいで、成長したキミを抱きしめさせておくれ」 茜「お、お父さ~~~ん!!!!」 茜父「よしよし、大きくなったね…本当に大きくなったね…有り得ないくらい大きくなったね」 茜父「……正直あの国で何を食べたらそんなに大きくなるんだい?」 紬「良かったわ…クスン…」 茜「すみません! 私……ヒドイことを……」 紬「ううん。いいのよ、本当言うと あなたから私を殺すような感情は伝わってこなかったもの」 茜「…はい…私、とても迷いました。復讐した後どうしようって…」 茜「ゴージャストロトロ角煮丼を食べた後どうしようか…って!!」 紬「……」 茜「それに、このお父さんのユーフォニアムで人を殺したことないんです…」 茜「本当はわかっていたんです。お父さんもこんなこと望んでないって…」 紬「やっぱり…茜ちゃんがそれで人を殺すなんてできないって思ってたわ」 茜「はい…今までは専ら素手で殺してましたので…」 紬(あれっ!? もしかして結構危険だった!?) 茜「私…本当に過ちを犯さなくって…よかった…」 紬(本当によかった!!) 茜父「琴吹さん。この通りです…娘を、許してやってください…!!」 琴吹「……」 紬「お父様!! 私からもお願いします!!」 琴吹「しかし、紬…お前は殺されそうになったんだぞ?」 紬「悪いのは騙した人たちです!」 琴吹「紬…、娘が危険な目に会ったのにそれを簡単に許すなど… 私はそこまで出来た人間ではないのだよ…」 紬「そ、そんな!!」 琴吹「三浦さん、あなたの娘さんの犯した罪は大きい…」 茜父「はい…わかっています…。子供の罪は親の責任です…」 茜父「全て私が償います…。どんな罰だって甘んじて受けます!!」 茜「お、お父さん!?」 琴吹「……わかった。ではその言葉通り罪を償っていただこう」 茜父「……!!」 平沢「し、社長!!」 琴吹「ユーフォニアムを…」 茜父「えっ…?」 琴吹「ユーフォニアムを吹いてはくれないか?」 茜父「あの…しかし…」 琴吹「どうした? どんな罰でも受けるのではなかったのかな?」 琴吹「そのような病み上がりの体でユーフォニアムを吹かねばならないのは 想像以上に重い罰だとは思うがね」 平沢(うわ~…人情劇だな~…) 紬(お父様…昔からそのような邦画が大好きでしたものね…!!) 茜父「そのようなことでよろしいので…?」 琴吹「ああ、以前から一度はこんな大岡裁きみたいな真似事をするのが夢だったんだ」 斎藤(旦那様…ようございましたな~…)よよよ… 茜父「そ、それでは…」 茜「お父さん…大丈夫なの…?」 茜父「茜、キミにはまだ言ってなかったが、傭兵になる前は このユーフォニアムの奏者を目指していたんだよ」 茜父「しかし家庭の事情もあり結局は傭兵にならざるを得なかった…」 平沢「傭兵にならざるを得ない状況っていったい…」 琴吹(スパイという職業もどうかと思うぞ、平沢くん…) 茜父「スゥ~~~……」 ~♪~♪~♪~♪ ~♪~♪~♪~♪ ~♪~♪~♪~♪ ~♪~♪~♪~♪ 紬「……素敵」 この部屋にいる誰もがその透き通った音色に聞き惚れていました しかし、この演奏は誰よりも茜ちゃんへと向けられたものであったことは間違いありません 私たちの感じるこの空気の震えは、茜ちゃんが感じているそれとはまた違ったものでしょう その音色は親子の10年という溝を埋めるのに充分であろう素晴らしいものでした きっと茜ちゃんにもお父さんの想いは伝わったと思います ──── ──────── ──────────── 紬「ってことが昨日あってね」 澪「わ、私たちの知らないところでそんなハードな展開が…」 律「あ~私もその場に居たかったな~。ドラマみたいじゃん!」 梓「律先輩! もしかしたらムギ先輩本当に殺されたかもしれないんですよ!」 茜「…ご、ごめんなさい」 梓「あっ!? ち、違うよ! 茜のこと悪く言ったわけじゃないから…」 紬「そうよ、私と茜ちゃんの絆は一層深まったのよ♪」 茜「////」 唯「なるほど~、今の話しを纏めますと……」 律「お! なんだなんだ?」 唯「なんで牛丼私も誘ってくれなかったの~!!」 澪「なんでそうなるんだ!!」 梓「ところで、さっきの話。はっきりしない人物が1人いましたね」 律「ムギのとーちゃんと一緒にいた人な」 紬(唯ちゃんのお父様からは黙っててくれって言われてるのよね…) 紬(いずれ自分から話すからって仰ってらしたけど…) 茜「なんでも、スパイらしいですよ」 紬(あ、茜ちゃん!?) 澪「す、スパイ!?」 梓「本当にそんな職業あるんでしょうか…?」 律「まぁ、傭兵がいるくらいだから別にいいんじゃね?」 紬(そうよね…誰もそのスパイさんが唯ちゃんのお父様だって気づくはずないわよね) 唯「スパイ……」 紬「ゆ、唯ちゃん!? いったいどうしたの!?」 唯「そのスパイって…まさか…!?」 紬(ま、まさか…気づいちゃった!? 唯ちゃんって結構鋭いとこあるし…) 唯「梅干作ってる人?」 澪「もうツッコまないぞ……」 唯「すっぱ~い!! えへへ…なんちゃって」 律「はいはい…」 紬「……」 梓「寒いです…」 唯「ええ~…」 茜「……」 茜「ブフッwwwwwwww!!」 一同「!?」 ・ ・ ・ ・ ・ 澪「しかし、私も茜のお父さんの演奏聴いてみたかったな~」 紬「とっても素晴らしかったのよ♪ ね。茜ちゃん」 茜「はい…とても///」 律「じゃあさ、今ここで茜に吹いてもらおうよ!」 茜「えっ…でも…、私本当にユーフォニアム吹いたことなくって…」 律「この軽音部にいる限りはいつか吹かなきゃいけないんだしさ」 梓「そうだよ茜。今日が初めて音を出す日にしたらいいんだよ」 茜「で、でも…」 唯「デビちゃん。その体の中には凄い演奏をしたお父さんの血が流れてるんだよ きっとデビちゃんにもその才能が受け継がれているはずだよ!」 律「お!唯、良いこと言った! 先程の失態は取り消すぞ」 唯「はは~っ、ありがたき幸せ」 澪「うん、吹いてみてよ茜」 梓「聴いてみたいな~」 茜「あ、あの……」 紬「がんばって、茜ちゃん」 茜「……」 茜「はい、わかりました!」 唯「うわ~い!!」パチパチパチパチ 茜「では……」 茜「すぅ~~~~っ……」 茜「プワッ♪!!」 律「おおっ!!」 カッ!!!! ...... ........ ;;;;;;; γ ⌒ ⌒ `ヘ イ "" ⌒ ヾ ヾ ドガァァァァァァァァン..... / ( ⌒ ヽ )ヽ ( 、 , ヾ ) ................... .......ゞ (. . ノ. .ノ .ノ........... ........ ゝ、、ゝ.....| |..., , ノソ ....... _ _i=n_ ._ [l_ .._....,,. .-ー; ! i;;;~-ヽ_ii_i=n_ [l h__ /==H=ロロ-.γ ,~ー l ! | ーヾ ヾ 「!=FH=ロロ ¶ -幵-冂 ( ( |l | ) )=HロΠ=_Π Π=_Π「Ⅱヾ、 ⌒~"""' ⌒~ "´ ノ;; 日lTΠl .... Д日lTl,,.. " ""'ー-┬ーr--~"" Д日lT FH=n. | | FL日l」 ロΠ= . . ノ 从 ゝ . 田 /==Д 口=Π田 . . Γ| ‡∩ Γ| ‡∩Π .... ... Eヨ 日lTlロ Д日lTlロ_Π ....... ... 田 凵Π_=H =Hロ凵Π=_Πロ=HロΠ ................. 口ロロH「l.FFl ・ ・ ・ ・ ・ 律「ケホッ…ケホッ…」 澪「な、なにがどうなったんだ…」 唯「あはは~。澪ちゃん髪の毛チリチリ~」 澪「お前もな…」 茜「すみません…ユーフォニアムの演奏モードじゃなくて 武装モードで吹いてしまいました…」 律「なんじゃそりゃ……」 紬「私、爆発でドリフみたいに頭がチリチリになるの夢だったの~♪」 梓「ムギ先輩の夢は果てしないですね……」 茜「ご、ごめんさない……」 澪「だめだこりゃ」 律「次行ってみよ~」 唯「ちゃんちゃん♪」 おしまい
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627 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 06 16 46.45 ID 36jrQVtIO ――日曜日 公園 茜「……えと、んしょ、アカザとカキドオシとタンポポと、 ……んと、アカゲじゃなくて、アカザ、アカザ……っと」ムシリムシリ 茜「ふー、やったー、すごーい、こんなにたくさん採れちゃったー!えへへっ!」パアアア 茜「やっぱり日本はいい草がよく採れるよー、ホント……、ウクライナとは大違い……」 茜「お父さん………」 茜「………よし!後はこれを水洗いしてと」 憂「ねえ梓ちゃん、ほら、あそこで草むしりしてるの三浦さんじゃない?」 梓「…あ、ホントだ」 憂「さすがにピンク色だよね、どこからでも分かっちゃうっていうか」 梓「……は、ははは……そだね」 628 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/22(月) 06 17 55.34 ID 36jrQVtIO 憂「でも三浦さん、どうして公園の草むしりなんか」 梓「……!?」(前々から気になってたんだけど、あの草ってひょっとして)ドーン 茜「あ……」 梓「あ……」 憂「あ、こっちに気がついたみたい、おーい!三浦さーん」 茜「……あ、あ、あの、こ、ここ、これはね、違うの、べ、別にお浸しになんてしないんだから、あのその……」 憂「え?……お浸し?」 梓「…お、お浸し………」ドーン 茜「うえーん!違うんだもん!」ダダダダダダダダ 憂「あーあ、逃げちゃった。………変な三浦さん」 梓「は…ははは……」(うう…やっぱりだー)ドンヨリ
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291 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/19(金) 15 43 31.00 ID EYw9WHSs0 私にはもう何もなかった 幼い頃から暴力団の幹部の父に命じられ、カチコミや取り立て、詐欺を行ってきた だが、それも終わってしまった 父の組は組長と父以外の若頭は逮捕され今川組は消滅してしまった そして、父は難を逃れる為に外国に行ってしまった 私は父の為に力を身につけ、父の為にしたくない悪事を働いてきた そして現在、警察から逃げて、病弱な母を病院に残してこの公園にいる。 294 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/19(金) 15 45 20.40 ID EYw9WHSs0 ホームレスA「お譲ちゃんみたいな若い子がこんな所で何をしているんだい?」 見るからにみすぼらしいホームレスが話しかけてきた。 茜「うるさい、あんたには関係ないでしょ。」 A「関係なくはないさ。私はこう見えてもここのホームレス達をまとめる長をやっているんだ」 茜「ふーん。で、私にどっか違う所へ行けって言うの?」 村長「違うさ、この公園でのルールさえ守ってくれたら、誰でもここに居ていいんだ」 茜「ルールって何よ?」 どうせ、こんな所にいるクズだ、所場代とか言って金を要求するんだろう 村長「近所には絶対迷惑かけないこと、仲間同士で喧嘩もしちゃいけないよ」 茜「近所に迷惑かけないだぁ?ホームレスが近くに居るってだけで迷惑だろうよ」 村長「そうだろうね。でも、意識しないよりはましだろう?」 茜「ふーん、まぁどうでも良いわ。とりあえずこの滑り台で寝るから、 半径1メートル以内に近づいたらぶっ殺すわよ」 295 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/19(金) 15 46 31.70 ID EYw9WHSs0 ホームレスB「おい、さっきから聞いてた調子乗りやがって、村長にそれ以上暴言を吐いたら承知しねえぞ 茜「………」 B「へっ、びびって声もでねーか。」 茜「Zzz…」 B「って寝るんじゃねえ!!!」 村長「まぁ、良いじゃないか。この子はだいぶ疲れてたんだろう。 ゆっくり寝かせてやろうじゃないか」 B「まぁ、村長がそうおっしゃるのなら… おいこのデコビッチ明日になったらここのルールを叩きこんでやるから覚えとけよ!!」
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56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 07 07 26.12 ID FtkR0lE6O 学園祭編 律「ちーす」ガチャ 澪「なんだ律か」 律「な、なんだよー澪!あたしがここに来たらダメみたいに言うなよなー。もう!感じ悪いなー!」 澪「いや、そのゴメン。そうじゃなくて」 紬「…茜ちゃんのこと?」 澪「うん…」 唯「デビちゃん最近部活に来ないよね、どうしちゃったのかな?」 律「そっかー、茜また来てないのか。学園祭まであんまり時間もないしなー」 澪「梓は学年同じだろ、何か聞いてないのか?」 梓「いえ、特には」 さわ子「三浦さんなら学校休んでるわよ」 紬、澪、律、梓「!?」 唯「おお、さわちゃん先生いつの間に!?」 57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 07 26 42.15 ID FtkR0lE6O 梓「あの、先生、何か聞いてますか?」 さわ子「さあ、なんかお家の事情みたいね、私も詳しい話を聞いたわけじゃないから…」 澪「そうですか」 梓「お家の…事情……」 律「よーし、こうなったらみんなで茜んちに行ってみようぜ!」 梓「…!!」ガーン 唯「おお、律ちゃん、それナイスアイディア!」 紬「そうね、私も茜ちゃんのこと気になるから」 澪「そうだな、こんな時間に、みんなで行くのはちょっと迷惑かもだけど、行ってみるか」 律「あ、そういえば、梓は茜んちに行ったことあるんだっけ?道案内よろしくな!」 梓「あ……あぅあぅあぅ……」ガクガクブルブル… 唯「……あずにゃん?」 71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 09 02 11.41 ID FtkR0lE6O 唯「ねえ、あずにゃん、この駅でいいの?」 梓「……は、はい……うぅ……」 律「へー茜のヤツ、案外遠くから学校来てたんだな」 澪「あれ?でも茜、通学は歩きって言ってなかったっけ?」 梓「………は…はは…」 律「ま、いっか、んでさ、茜んちってどのあたり?」 梓「はい、あそこの公園のとこを……」 唯「ねね、そいえばあずにゃん、前にデビちゃんちにプリント届けに行ったって言ってたけど どうしてあずにゃんが頼まれたの?ほら、だってここって、あずにゃんちよりずっと遠いし」 梓「ああ、それは…」 唯「…え!?嘘?ひょっとしていじめ!?パシリ!?村八分!? ううう…あずにゃんクラスでいじめられてるの!?」ボロボロボロ 梓「……は?」 澪「なに!梓!お前クラスでいじめられてるのか!?」 紬「まあ…」 梓「ち、違いますー!あの日は、単にこっちでたまたま買い物があっただけで!!」 律「おーい、梓ー、公園ってこれのことー!?立入禁止って貼紙があるんだけど?」 梓「………………え"!?」 74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 09 30 20.66 ID FtkR0lE6O 律「な、ほら、市営マンション建設予定地につき立入禁止」 梓「――――――!!????」ガーン 澪「こうやって知らない間にどんどん町並みが変わっていくんだな」 唯「そだね、なんだかさびしいね」 律「んでさ茜んちは、どっち?」 梓「………んが……が………」プルプルプル… 紬「ん?どうしたの、梓ちゃん?」 紬「……………………………」ガクッ 唯「…あ、あずにゃん?」 梓「……あぅあぅあぅ……うう……ぐす……えぐ………ひぐ………」ボロボロボロ 唯「…は!?やっぱり…あずにゃん、やっぱりいじめられてたんだね…ううう……」ボロボロボロ 梓「うえーーん」ボロボロボロ 85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 12 20 16.67 ID FtkR0lE6O ――駅 澪「じゃあ今日はここでお開きだな」 唯「ううう……あずにゃん…ううう……」ボロボロボロ 梓「………………ぐす…」 律「なんだよもう、水臭いことは言いっこなしだぜ?」 紬「困ったことがあったら言ってね」 澪「私たちはいつでも梓の味方だからさ」 梓「先輩……」 律「じゃあな」 唯「……あずにゃんがいじめられてるなんてあたし全然しらなかったよ~」 梓「え?あ…いや…あの、…それ、違……」 プシュ………ゴトトンゴトトン…… 梓「あ……」 梓(…え?ひょっとして誤解されたまま!?)ドヨーン 90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 12 37 59.07 ID FtkR0lE6O 梓「………」(そういえば、今の電車、私も乗るはずだったんだけどな) 梓「………」 梓「……はあ…」 梓「………」 梓「………茜さん、どこいっちゃったんだろ?」 梓「…って、あ、あれ!」 梓「駅の外を走ってるの、茜さん?」 ―――立入禁止の公園内 茜「えと、確か、このへんに……」ゴソゴソ 茜「あー、あった、あった!」 梓「茜さん!?」ハアハア 茜「は、はい?……あ、梓さん?」 94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 12 54 38.03 ID FtkR0lE6O 梓「茜さん、何やってるんですかー!」 茜「あ、こ、これは、その……」 梓「もう、何日も学校休んで何やってるんですかー!も――ううう…ぐす……」ボロボロボロ 茜「な、ちょっ、梓さん?」 梓「えぐ……ひぐ………こ、公園、立入禁止になってるし、………心配……したんですからね」 ボロボロボロ 茜「ええええ!!!?」 梓「ひっく……ぐす………」 茜「あの、引越し……」 梓「え…………」 茜「ちょっといろいろ、その……事情があって、急遽引越しを……あの………」 梓「引越し?」 茜「あ、そうだ!立ち話もなんだし、梓さんも一緒にきてもらえますか?ちょうどヘキサゴンが始まる時間だし」 梓「ヘ…へキサゴン?」 茜「はい、ヘキサゴン」 135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 14 56 17.48 ID FtkR0lE6O ―――駅裏のちょっと離れたところにある別の公園 段ボールの家 茜「さ、入って?」 梓「あの……前より一回り小さいんですが……入れるのかな?」 茜「大丈夫ですよ、……多分3人までなら」 梓「お、お邪魔します」 茜母「あ、あなたはこの間の。…ホントにごめんなさいね」 ポータブルテレビ「♪~♪~」 茜「あ、もうヘキサゴン始まってる!あたしこの曲結構好きなんだよね」 梓「……あはは……あはは…………………はあ……」ズルズルズル……パタ 茜「あ、梓さん?ど!どうしたんですか?大丈夫ですか?」 梓「……あははははは………………なんかもう、がっくり疲れた…かも…」 194 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 18 04 21.54 ID FtkR0lE6O ――翌日 学校の廊下 茜「あ」 梓「あ」 茜「あ、あの……お、おはよ、梓さん」 梓「………」 梓「~~~~!//////」カア 茜「あ、あのぅ、梓さん?」 梓「………」プイッ スタスタスタスタ 茜「はぅ!き、嫌われた!?」ボロボロボロ 茜「………」 茜(はぅ…昨日、あれからずっとあんなだったし、やっぱりヘキサゴンがよくなかったのかな…)ドンヨリ 230 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 20 06 46.83 ID FtkR0lE6O ―部室 茜「あ、あの、こ、こんにちは…」ガチャ 唯「おお、デビちゃん!」 澪「茜!」 紬「茜ちゃん?」 律「なんだよ!茜!元気そうじゃん」 茜「…えっ?あ…あの、その、何日も学校休んじゃって、すみませんでした…」 澪「梓にはもう会った?梓さ、茜のことすごい心配してたんだぞ?」 茜「え……えと、あの………は、はい……え?」 唯「それでねそれでね、デビちゃん!あのね、あずにゃんがね、大変なんだよ!」 茜「……?」 唯「それがね、ううう……あずにゃんね、なんかクラスでいじめられてるみたいなの! 憂に聞いてもよくわかんないって言うし、あたしもう心配で心配で……うう……」ボロボロボロ 茜「…………え?………え―――――――!?」 235 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 20 27 01.89 ID FtkR0lE6O 茜「…そ、それで、梓さんは?」 律「それが今日はまだ部室には来てないんだよ」 茜「あ、あたし梓さんをちょっと探してきます!」ダダダッ ギュ----ン 澪「ちょ…茜、待っ…」 律「ああ…行っちゃった」 唯「デビちゃん、足早!」 和「えと、こんにちはー」 唯「あ、和ちゃん…」 和「三浦さんって言ったっけ?あのピンク色の頭のコ。ものすごい早さで走ってったけど何かあったの?」 237 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 20 49 07.13 ID FtkR0lE6O 茜「あ…いた!梓さーん」ダダダダッ 梓「…いっ!?」 梓「…………」 梓「~~~っ!/////」カア 梓「……………/////」クル………タッタッタツタッ 茜「ああ!待って!梓さん、待って下さい――!」 唯「…それでね和ちゃん、かくかくしかじかなんだよー、あたしもう心配で心配で…」 和「ふうん、2年のクラスでいじめねえ……あんまり聞かない話だけど まあわかったわ、見つけたら生徒会から厳重注意しとくわね」 唯「……おお、和ちゃんが一回り大きく見えるよ」 律「あんたやっぱりいい人だー!」 和「ああ、それと。危うく本題を忘れるところだったわ 律、あなた今年もまた学祭の講堂の使用申請出してないでしょ」 律「うげっ」 澪「律………」 250 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 21 08 18.09 ID FtkR0lE6O 茜「待って――――――!!!」ダダダダッ 梓「ハァハァハァ…………っ!くっ!!」ダダダダッ 茜「…うううっ…えぐ……ぐす……、何故!何故逃げますか――――!!!」ボロボロボロ 梓「…え?……わっ………きゃっ?!」……ツルン 茜「あ!」 ドサッ 梓「あ」 茜「…ま…間に合った……」 梓「……あっ、茜……さん、……足……早いん……ですね」ゼイゼイゼイ 茜「ダメなんですよ、うう……逃げたらダメなんですよ……ひぐ……ぐす……」ギュ 梓「茜さん……………」 257 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 21 20 31.42 ID FtkR0lE6O 茜「先輩達から聞きました、梓さんが、あたしのことすごく心配してくれたって…」 梓「……っ!/////」カァ 茜「その、あの、梓さんは、あ……あたしの初めてできたお友達だったから、あの……その……すごく嬉しかったです!」 梓「//////」←顔真っ赤 茜「その梓さんが…クラスで……いじめられてたなんて………あたし……あたし……ううう………ひぐ……ぐす……」 梓「……………………え"?」 茜「あたし……梓さん、いつも…あたしのこと……庇ってくれてるのに……………ううう……ひぐ……ううううう……」 梓「!?」(なんか話にあらぬ尾鰭が付いてる―――!!!!?)ドーン 276 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 21 59 38.25 ID FtkR0lE6O ――部室 梓「唯先輩!」バターン 唯「あ!あずにゃん!」 澪「梓!」 紬「ねえ梓ちゃん、大丈夫?」 梓「もー!唯先輩でしょ、私がクラスでいじめられてるってデマ流したの!」 唯「はひ?」 梓「……部室に来る途中も!クラス中の人達が、みんながみんな大丈夫か?とか 何かあったら隠さずにちゃんと言ってくれとか! 生徒会の人や先生からも!さんざん言われちゃったんですからね!」プルプル 澪、紬、律「…………」ドーン 唯「ほへ?」 279 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 22 18 55.03 ID FtkR0lE6O 唯「…あー…えとー」 唯「………………」キョロキョロ 紬、律、澪「………」ササッ 梓「もー!唯先輩!どーするんですか一!私もう恥ずかしくて恥ずかしくて……うううう!!」 唯「まあまあ……どうどう……あずにゃん、落ち着いて、落ち着いて……」ダキッ…ナデナデ……ナデナデ…… 梓「…もが……」 律(ば、バカヤロ!いくらなんでも今度ばっかりはそんなんで落ち着くわけ………) 梓「……………」 梓「……………」パアアアアァ 紬、澪、律「落ち着いた――――――!??」 281 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 22 44 16.27 ID FtkR0lE6O 梓「ホントにもう唯先輩たら!今度やったら許さないんですからね?」 唯「まあまあ、あずにゃん、何事も、なんにもないのが一番だよー、ね?」 律「なんて言うかさ、唯、お前いろんな意味ですごいよな」 澪「それじゃさ、遅くなっちゃったけど気を取り直して 1回くらいは通しとく?もう学祭までほとんど日がないんだし」 唯「そうだね、あ、デビちゃん!そんなとこに立ってないでデビちゃんも一緒に練習やろうよー」 茜「……………」 澪「ごめんな、なんか私達いっつもぐだぐだで」 紬「茜ちゃん?」 梓「茜さん…………?」 茜「あ…あの、それがその、実は、今日は、本当は、その…、みなさんに、お別れを言いに来たんです」 292 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 23 07 11.85 ID FtkR0lE6O 唯「へ?」 律「茜、お前何言ってんだ?」 梓「茜さん……?」 茜「……それがその、母方のおじいちゃんに、今住んでるとこが見つかっちゃったんです」 唯「おじ?」 梓「…あ……」 茜「うちって、その、お父さんとお母さんが、駆け落ちして、 ……今の生活になってたんですが……その、昨日見つかっちゃって」 澪「それと、お別れと、どう関係してるんだ?話が全然見えてこないんだけど」 梓「……………」 茜「今の生活があたしにそぐわないから、おじいちゃんの地元に引っ越すことになったんです」 澪「そぐわないって、そんな……」 茜「昨日、あたしが公園に忘れ物を取りに行って、 それから梓さんと一緒にいるところを見られてたようです」 律「え?梓……昨日茜と会ってたの?」 梓「…………………」 302 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 23 19 34.07 ID FtkR0lE6O 茜「頑張って奨学金貰ったって言ったんですけど……おじいちゃん聞いてくれなくて」 律「茜、奨学金貰ってたのかよ、すげー」 澪「律……」 律「ごめん、話の腰を折っちゃったな」 茜「いえ、こちらこそ、そんなわけで、あの本当にごめんなさい」 唯「……ゆ………UFO呼ぶから!」 梓「唯先輩?」 唯「宇宙人も呼ぶから!」 澪「唯……」 唯「ウ…ウルトラマンもちゃんと呼ぶからー!ひいいいん。ずびーーっ」ボロボロボロ 律「うわ…唯、鼻水!」 309 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 23 34 55.04 ID FtkR0lE6O 梓「茜さん、いつですか?」 茜「え?」 梓「引っ越すのはいつになりますか?」 律「梓、お前……」 茜「本当は、今すぐにでもってことだったんですが、 ……まあ、あんな生活じゃ仕方ありませんよね、 それでもちょっとだけ待ってもらったんです…その、…3日後です」 澪「3日って……」 紬「学園祭の日じゃ……」 314 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 23 53 03.21 ID FtkR0lE6O 澪「…………んーと、それじゃ今から練習やっとこうか?茜も一緒に、みっちりと」 茜「え?……でも、あの、その、あたし…………」 律「…そうだな、やるか!久しぶりに、真面目に!なんてな」 茜「えと、あの……あたし、ホントに市役所とか、いろいろ手続きが……その……」 紬「そうね、ユーフォニアムの演奏に、キーボードを合わせることなんてこと、そうそうないものね」 唯「デビちゃん!」 茜「は、はい」 唯「今日から徹夜だよ?帰さないからね?」 茜「え?ええええええ!!???」 梓「先輩…………」 律「んん、このやる気が初めからあれば……なんて言うのはなしな、梓」 梓「ひゃい」 324 :今思った、携帯でSSみたいなもんは書ねえほうがいい:2010/03/12(金) 00 30 29.84 ID Epruu8xBO ――そんでもって3日後 学園祭 講堂 『次は、軽音楽部による演奏です』 客1「ねえ、このパンフに書いてるユーフォニアムって何?」 客2「さあ?」 客3「始まるみたい」 パチパチパチパチパチパチパチパパチ 客2「なあ、一人なんか場違いなの持ってるコがいるぜ」 客3「ホントだ、すげえ」 律「……ワンツースリーフォー」チャッチャッチャッチャ…… ジャーンジャーンジャーン…… ♪今 私の 願事が叶うなら 翼が欲しい ♪この 背中に 鳥のように 白い翼 付けてください 客2「あ、この歌知ってる」 客3「音、綺麗だなあ」 333 :眠い:2010/03/12(金) 01 04 20.18 ID Epruu8xBO 客4「しーっ、お前ら、萎えるから静かに聞いてろ!」 客3「え?……って、え、えええ?!」 客2「げっ…で、でか……」 客4「しーっ!騒ぐな!」 ♪この大空に 翼を広げ 飛んで行きたいよ ♪悲しみのない 自由な空へ 翼はためかせ行きたい 客4「ずいぶん上手に吹けるようになったな茜、だがユーフォニアムでロックはないよな」 客2「なに、このおっさん」 客3「しらねえよ」 661 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/12(金) 21 07 10.37 ID hLlPzqhd0 そいじゃ、学園祭の完結編 ジャン、ジャン!ジャジャ―――――――――――ン!! ワァ――――――――――――――――――――!!!!!! 唯「えと、改めまして、軽音部の放課後ティータイムです」 唯「今の曲は、わたしが軽音部にはいるきっかけになった曲でした」 唯「なので今日は、どうしてもこの曲がいいって、わたしが無理矢理わがままを言いました」 律「…澪がせっかく徹夜して新曲作ったのにな」 澪「…ははは」ドンヨリ 唯「この曲を聞いてもらいたい人がいました。…あのとき、わたしが軽音部に入ろうって思った時の、あの気持ちを感じて欲しい人がいました」 梓「あ…」 茜「…え?//////」 紬「うふふ」ツヤツヤ 唯「最初はあんまり上手じゃなかったんですが」 澪、律、紬、梓、茜「…」(こんなときでもバッサリだー!)ドーン 662 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/12(金) 21 09 19.95 ID hLlPzqhd0 唯「でも、こんなでも、この3年間はわたしにとっては決して無駄じゃありませんでした。…いえ、無駄どころかぴかぴかの宝物です」 澪、律、梓、紬「…っ」 茜「あ…」 唯「そんな気持ちを感じて欲しい人がいました」 律「…唯が一番オイシイとこ、もってっちゃったな…」 澪「ああ」 梓「唯先輩…」 茜「//////」 唯「てなもんで、次の曲行きたいと思います!」 ワァ――――――――――――――――――――!!!!!! 663 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/12(金) 21 11 59.04 ID hLlPzqhd0 唯「次の曲は…これも手抜きだー!って思う人も中にはいるかもしれませんが、すみません、これもわたしがわがままを言いました」 唯「このメンバーで!今いるこの講堂で!わたしたちが一番最初に作った曲!」 唯「ふわふわタイム!」 ワァ――――――――――――――――――――!!!!!! 唯「あ、そうそう!ひとりだけ変な楽器もってたぞ!とか、余所で噂しちゃ絶対にダメなんだからね!?」 ――――ドッ クスクス… クスクス… 茜「/////////!!!??」カァ 澪、律、紬、梓「どんなフォローだ―――!!?」ドーン 689 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/12(金) 22 59 21.42 ID hLlPzqhd0 ―――学園祭から1週間後 部室 唯「ぼー」 梓「ぼー」 律「ちーっす、あれ?みんなもう来てたのか」 澪「なんだ、律か」 律「なんだはないだろー、ちぇー、人がせっかくいい話持ってきたって言うのに」ブツブツ 紬「あら、なーに?」コト 律「お、今日は茜の好きなマドレーヌか」 唯、梓、紬「…!」 澪「…お、おい、律…」 律「わ、悪い、つい…」 691 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/12(金) 23 01 20.74 ID hLlPzqhd0 唯「ひとり減っちゃっただけでこの部室もなんだか広く感じちゃうね」 梓「…」 澪「それを言ったらもうすぐあたしたちも卒業しちゃうんだぞ」 梓「!!!」ズーン 澪、律「………あ」 唯「ふー、今年は新入生入らなかったもんねえ…」 紬「もう澪ちゃんったら、バカねえ、律ちゃんと唯ちゃんが無事に卒業できるかどうか、まだわかんないでしょ?」 唯、律「…!!」ガーン 澪「ムギそれはあんまりじゃ…」 梓「と…ところで、律先輩、話って何ですか?」 律「ああ、それがさ、今日さわちゃんからこんなもん貰ったんだけどさ」パサッ 唯「えと、ビ○ター主催ライブ オーディションの案内?…なにこれ?」 693 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/12(金) 23 04 34.55 ID hLlPzqhd0 律「それがさー、さわちゃんがこないだの学園祭のあたしたちのライブを、隠し撮りして勝手に応募してたみたいなんだよ、そしたらこんな返事がって」 澪、梓「…」(それは一教育者として、やっていい行為なんだろうか?…)ドーン 律「な?どうする!?…これさ、ひょっとしてマジにチャンスなんじゃねえか?」 唯「んー、なんかさー、こう、気乗りしないっていうか、なんていうか」 梓「そーですねー」 律「なんだよー、これってホントのホントにメジャーデビューのチャンスかも知れないんだぞ?武道館だぞ?」 茜「え?えええええ!?メジャーデビューってホントですか?」ガクガクガク ガタタンッ 梓「!?」 紬「え?」 律「へ?」 澪「茜?」 唯「デビちゃん!」 696 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/12(金) 23 07 16.15 ID hLlPzqhd0 律「な!?なんであんた、ここにいんの?」 唯「デビちゃーーーーーーーーーーーーーん」ボロボロボロボロボロ 茜「ひゃい?唯先輩、そ、そんな抱きつかないでください」 唯「えぐ…ひぐ…ずびーーーーーーーーーーーーっ本物だー!ふわふわだー!お日さまの匂いだー!!うう、ずびーーーーーーーーーーっ!」 茜「…ぎゃ…ぎゃ―――――先輩!鼻が、鼻水が――!!???」 梓「……」 茜「あ、梓…さん?」 梓「……ううう」ボロボロボロボロ 茜「ああ、梓さん?!」 梓「ひぐ…ぐす……」 澪「な、なあ、茜、お前引っ越したんじゃ…なんでここに?」 茜「それが、その、えと…、お…お父さんが」 唯「ううう…デビちゃんのお父さんがどうかしたの」 698 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/12(金) 23 11 08.91 ID hLlPzqhd0 茜「昨日の晩、あの、その、おじいちゃんの家に、お父さんが、突然、帰ってきて…その……あの……」ブルブルブル ガクカクカク 律「茜?」 茜「あたしとお母さんを連れて、駆け落ちしちゃったんです―――――――――――!!!」 律、紬、澪「――――――は?」 唯「えと、…それって夜逃げじゃ…?」 梓「……………」ガーン 茜「あ、あたしだって…その…なにがなんだかわからないまま…布団ごとスマキにされて…お父さんに担ぎあげられて…気が付いたらこの学校に…」 澪、梓「どんな父親だ?」(ドーン) 澪「でもさ、お前ってこの学校はもうやめたんじゃ」 茜「そ…そうなんですけど」 さわ子「その子の退学届ならここにあるわよ?」ピラッ 梓「先生!?…いつの間に!?」 699 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/12(金) 23 15 46.11 ID hLlPzqhd0 さわ子「それがね、今、その子のご両親さんから、その子を私のところで預かってくれないかって言ってきたのよ」 梓「えええええええええええええええええええ!!!!?????」 律「み…見えない…話が全然見えない…」 茜「そ、それで、あの…お父さんと、お母さんは?」 さわ子「それがね、急遽、海外に用事があるとか言って、さっきもう二人とも帰っちゃったわよ?あれってリムジンっていうのかしら?黒くて大きな車」 茜「―――――――――――――――――――?!」(顔面蒼白)ガーン さわ子「お金もたくさんもらっちゃったしねー。思わず引き受けちゃった。てへ」 澪、律「この人、教師としてじゃなくて、人としてダメだ―――――――!!!」ドーン 梓「えと…これっていったい…」 701 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/12(金) 23 18 00.74 ID hLlPzqhd0 茜「あうあうあう、捨てられた?…ううう、あたし…お父さんとお母さんに捨てられちゃったの?…ひぐ…ぐす…えぐ…」 唯「あー、そうだ!律ちゃん!ねえねえさっきの話!もう一回聞かせてよ!ね?」 律「さっきのって、ああ、これのこと?」 澪「…なあ、おい、私たちそろそろ受験なんだぞ?大丈夫か?こんなんで」 梓「…そういえば私、ずっときになってたことが…ねえ、茜ちゃん」 茜「えぐ…ううう…な…なんですか?ううう…」 梓「こないだ…公園で探してたものって、結局何だったの?」 茜「これです…ううううう…ふえええええん、あ、あたし、これから、どうなっちゃうの?」 梓「…あ、これ、夏合宿のときみんなで撮った写真だ」 梓「……」 梓「ま、いっか」 澪「…なんか、もうぐだぐだ」 おしまい
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69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/08(月) 06 52 41.86 ID 8netF86n0 唯「こう天気いいと窓開けて演奏したくなるよね!」ジャーン 澪「ばっ馬鹿、近所迷惑になるからやめろ…ってもう始めてるし」 部室廊下 茜「(はぁ……転校2日目なのに誰とも話せない)」 茜「(また一人ぼっちなのかな……お腹すいた…)」トボトボ ~♪ 茜「(……ギターの、音? この部屋からかな?)」コソコソ 唯「イエーイ!」ジャジャジャーン 茜「(空に向かってシャウト!? これは…もしかして…)」 唯「ベントラーベントラー、スペースピーポー!」ジャジャーン 律「唯、勝手に歌詞変えて歌うなって」ビシッ 唯「え~だって、せっかく曲に合ってたのに」 澪「合っててもダメだろ」ヤレヤレ 茜「(これは…間違いなくUFOを呼ぶ怪しい集団!)」ドキドキ 97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/08(月) 07 11 33.47 ID 8netF86n0 1週間後 茜「(次にチャネリングするのはいつかな……)」ワクワク 部室内 澪「……なあ、アレどうするんだ?」 律「どうするもなにも…別に覗いてるだけだし、ほっとけばいいんじゃないか?」 紬「でも、毎日ですし、入部したいけど言い出せないんじゃないかしら…唯ちゃんはどう思う?」 唯「ほぇ、何が?」モグモグ 澪律「(気づいてなかったのか……)」 廊下 茜「(まだやらないのかな…うう、いい匂いがするよぅ……)」キュルルル 梓「あのー」チョンチョン 茜「?? へあああァっ!?」ビターン 梓「わわわあっ、いきなり何なんですか! ……あれ? 貴方は転校生の…三浦さん、だっけ?」 茜「ご、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!」 律「んー? なんだよ梓、どしたー?」ガラッ 122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/08(月) 07 29 20.92 ID 8netF86n0 ティータイム 律「…で、唯が宇宙人を呼んでると思って覗いていたと」 茜「はい……スミマっんぐっ!?」ゲホゲホ 紬「あらあら、ほらこれ飲んで」 茜「うう、何から何まですみません…」コクコク 澪「気にするな。 もともとコイツが紛らわしい事をやるのが悪い」コツン 唯「むぅー、何で私のせいなのさー」 梓「それで、三浦さんの事ですけど」 茜「あっ、私のことは……その…(茜、って呼んで欲しいとか馴れ馴れし過ぎるよね…)」 唯「ねぇ、折角だから入部しない?」 茜「え…でもその」 律「まあ、いきなりってのもなんだし、しばらくは仮入部で見学って事でいいんじゃないか?」 茜「わ、私楽器とか今までやったこととかないし…」 澪「その点は唯も似たようなものだったしな」 唯「ね、楽しいからやってみようよ、茜ちゃん!」ギュッ 茜「(茜…ちゃん……)………ハ、ハイ、よろしくお願いします…///」
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Grass Hopper !! 作詞:ID 27+e3VTW0氏 木漏れ日の中で一休み その暖かさにまどろんだ でも のんびり流れるその時を 台無しにするものがいる 茂みの奥に潜んでる 遠くまで跳ねる長い足 羽をばたばたはばたかせ 私を狙って飛んでくる Grass Hopper !! 草の小船で飛び跳ねる 正体不明のエイリアン 気づかないうちに忍び寄り 私のおうちに入り込む 晴れ渡る午後に草むしり さわやかな風が吹き抜ける でも 広がる草の茂みには 恐ろしいものも潜んでる 草むらの中に隠れてる 辺りをさぐる細い角 鋭い目つきで睨みつけ 獲物を探して飛び跳ねる Grass Hopper !! 草の小船でやってきた 地球を狙うエイリアン 大きな群れでやってきて 私のごちそう食べつくす どうにかやっつけないと でも怖くて体が震えちゃう 助けて優しい宇宙人 円盤に乗って会いにきて Grass Hopper !! 草の小船で飛び跳ねる 正体不明のエイリアン たくさん仲間を引き連れて 私のおうちに攻めてくる Grass Hopper !! 草の小船でやってきた 地球を狙うエイリアン どんどん仲間を呼んできて 大きな空を埋め尽くす Grass Hopper !! 草の小船に乗り込んだ 黒いうねうねエイリアン 私の体を奪おうと 草の舟から這い出てる Grass Hopper !!
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ホームレス☆ゆーふぉにあむ 作曲 ID cg1QbRsO0氏 編曲 ID cg1QbRsO0氏 歌詞 ID cg1QbRsO0氏 intro A さあ今日も放課後 売店に向かうよ そしたら聞こえた ギターの音色 窓際で空 見上げるあの子 宇宙人と交信してる みんな知らないけど 滑り台がおうち 油断してたら (バッタが攻めてきた!)※セリフでも可 今日も一人で 草むしらなきゃ 安心して眠れないよ! B 今日から軽音部!? わたしにできるかな? パパからもらったこの楽器で わたしがんばるよ! C ホームレス☆ゆーふぉにあむ まだまだ下手くそだけれど ホームレス☆ゆーふぉにあむ 早くみんなに追いつかないと ニードレス☆ぷあーがーる? そんなのいやだよ でもそのあだなはやめて>< 間奏 A さあ今日もおやすみ 両手広げて 明日に向かって (ベントラー!スペースピーポー!)※セリフ 公園で空 見上げてみたよ 宇宙人に会えるかな みんな上手だから 少しユウウツ だってわたしは 音楽にがて…… 今はまだまだ ダメダメだけど 絶対うまくなるもん B 今日もジャムサンド 少しわびしくなるけど ママからもらったこのハートで わたし負けないよ! C ホームレス☆ゆーふぉにあむ たまにはおしゃれしたいけど ホームレス☆ゆーふぉにあむ 今はまだダメがまんしないと マネーレス☆ぴゅあがーる? そんなのダメだよ パパはやくかえってきてよ>< ギターソロ D わたしはみんなと住む世界が違うから 泣きたくなるときもあるけど 髪の毛結んだら今日もがんばろう さあ行くよ! C ホームレス☆ゆーふぉにあむ まだまだ下手くそだけれど ホームレス☆ゆーふぉにあむ 早くみんなに追いつかないと ニードレス☆ぷあーがーる? そんなのいやだよ でもそのあだなはやめて>< outro **************************************************************** 2番以降の歌詞できました。この歌メロの譜割りはあくまで参考なので、歌い手の方の自己解釈で自由に歌ってもらって問題ないです。 あと、Aメロが難しすぎるとのお叱りをたくさんいただいたので、2番のAメロは若干息継ぎがやりやすい譜割りでつくっておきましたwww それと需要あるかわからないですが、下に奏法解説と使用機材を書いておきましたので、もしコピーされる方がいましたら参考にしてください。 就活中なのに茜ちゃんが可愛すぎて夜も眠れない作者より ***************************************************************** 奏法解説 ギター(L ch) 梓パートを意識しました。 Aメロはワウを踏みながらチキンピッキングで弾いています。カントリーとかでよく使われている奏法でニワトリの鳴き声を真似したものらしいです。 Bメロの16分のカッティングは結構速いですが、多少リズムがずれても前へ前へと勢いをつけて弾くとかっこいいんじゃないかなと思います。 使用機材はFender USA のテレキャスターです。 ギター(R・C ch) こちらは唯パートを意識してレコーディングしました。 基本的には何も特別なことはしてないので、ギターが弾ける人にとってはそんなに難しいフレーズはないんじゃないかと思います。 Aメロと2番BメロでBPM170/付点8分のディレイをかけています。 ギターソロは勢いだけで弾いたので若干リズムとか怪しい感じですwww 使用機材はIbanezのj-customです。 ベース ポイントは休符を意識することぐらいです。特にAメロとDメロ。 あとは各展開ごとに弾く強さを変えてみるといいかもです。 私は指弾きでレコーディングしましたが、曲やフレーズ的にピック弾きでも全然問題ないと思います。 使用機材はBacchusのJazz Bassタイプ(5弦、パッシブ)です。 ドラム 打ち込みですwwwwwwwwwwwwwwwサーセンwwwwwww 使用音源はSession Drummer 2です。 キーボード、ユーフォニアム ピアノはあえてフレーズなどを一切事前に決めず、コード進行だけ見ながらノリ一発で録音しました。結構荒っぽいけど、バンドでキーボードを弾いている感が出ているのではないかなと思います。……でてるよね?www 左右でなっているシンセはギターやユーフォニアムの補助的な位置付けで鳴らしています。 ユーフォニアムは実際に触れたことがないのでよくわかりませんが、キーボードで弾く分には簡単なフレーズしか入れてません。でもタイトルに入っているぐらい重要なパートです。 てか本物のユーフォニアムってメチャメチャ高いんですね…… 使用音源 ピアノ、ユーフォニアム⇒Roland Fantom X6 その他シンセ⇒D-Pro 録音環境 DTM Sonar 8 Guitar Effect Boss GT-10
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185 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 20 47 54.89 ID 80JtczJw0 茜母「ここが、新しいマイホームよ」 色々にして諸々の事情を抱えている母と私は、現在ホームレスという立場にいる。 茜母「ここなら新しい学校にも近いし、広いし静かそうだし、どう?茜、気に入ったかしら?」 高校へ入学して程なく経過したある日、母と私の生活はその日を境に豹変した。 茜「うん、とっても、とっても素敵な所だね」 当たり前のように繰り返していた毎日の食事がなくなり、 雨風がどれほど心と体を弱らせるものなのかを知った。 茜母「じゃあ茜、段ボールハウスを建てる前にご近所さんたちに挨拶しに行きましょう。ヨモギはまだあるわね?」 当然学費などは払えず、やむなく退学した私は教師から、試験で良い成績を取れば特待を貰え、 その最高は学費にその他諸々の、学校関係の費用一切免除の学校があることを教えられた。 茜「大丈夫、いっぱいあるよ。ご近所さんたちに配っても十分夕飯の分は残ると思う」 それからは努力の日々。努力に努力を重ね、死に物狂いで勉強した。 他の学生よりも私にとって勉強というものが、より生きる為の行為に直結していたからだろう、 飾りだけのものと言われていた特待の最高をどうにか私は獲得した。費用一切免除を。 茜「ご近所さん、今度はいじわるな人たちじゃなけれはいいね」 190 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 20 51 51.68 ID 80JtczJw0 茜母「……昔の話はやめなさい」 茜「ご、ごめんなさい」 そうして、家は新しく通う学校に近くなければと引っ越しして来たのがここ、西浦畑自動公園。 母と私の新生活が始まった。 茜母「ここの公園、鳩は集まらないみたいね」 茜「でも、いっぱい野菜はあるよ!」 茜「日当たりは良いし土も適度に湿ってるから、根こそぎ毟り取っても三日で元通りになるんじゃない?」 茜母「夏場だけでしょ、それに、この近辺は野良猫も少ないみたい」 茜「……で、でも、良かったじゃん」 茜「ご近所の人たちみんな優しそうで。さっそく肉じゃがお裾分けしてもらったし」 茜母「……その愛想を尽かされないように、私たちは上手くご近所さんと付き合わないとね」 茜「…………」 191 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 20 55 25.12 ID 80JtczJw0 茜「お母さん、もうちょっと楽しくなろうよぉー」 茜母「ごめんごめん。さあさあ、段ボールハウスも私好みのバロックに仕上がったことだし」 茜母「早速! 旦那に内緒で結構へそくり貯めてそうだったあの奥さんの肉じゃが食べましょっ!」 茜「そんな覚え方しないでー! 伊藤さんだよ!」 茜母「あ、そうそう伊藤さん。大丈夫、もう覚えた」 茜「本当に覚えたの……?それでなくても名前覚えるの苦手なんだから」 茜「不安でお腹減っちゃったよ。もっと野菜取ってくる!」 茜母「生きる為に得たこのコミュ力さえあれば名前なんて覚えてなくても安泰よ」 茜母「それより早くしないと皿まで舐めちゃうからね」 茜「はーい、すぐ毟ってきまーす」 茜(それにしても、挨拶回りの時のおばあちゃんが気になるなぁ) 193 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 20 58 39.79 ID 80JtczJw0 192もっと軽い気持ちで読んでくれww これからもっと現実離れあるんだぞwwっつうか設定が現実離れ杉なんだよww 茜母「ああ、いたわね。ここら辺の人達みんな良い人だなと思ったけど」モグモグ 茜母「一人だけ素っ気ないというか」モグモグシャキシャキ 茜「そもそも『西浦畑児童公園に引っ越して来ましたホームレスの三浦です』なんて挨拶したらそれなりに何か反応すると思うんだけど」 茜「あのおばあちゃん、『そんなんでいちいち挨拶にくるな』って」シャキシャキモグモグシャキシャキ 茜母「気になるの?あのおばあさんのこと」モグモグシャキシャキ 茜「だってぇ……」シャキシャキガッ 茜「いだっ、小石噛んじゃった~」ウルウル 茜母「そんなこと気にしてるから石に気づかないのよ」ペロペロ 茜「ふい~痛いよ~」スリスリ 197 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 21 01 25.71 ID 80JtczJw0 茜「……あれ?」 茜母「何? その小石、実はダイヤだったとか?」 茜「ダイヤの指輪だった」 茜母「この近くに質屋ってあったっけ?」 茜「んー、ごめん調べてない、生きるのに必死だったし。でもこれ結構立派なゆ……ん?」 茜母「今度は何?」 茜「あれ、畑の向こうの今日行ったおばあさんの家。おばあさんこっち見てない?」 茜母「……本当だ、二階からこっち見てるわね。向こうは明るいから凄くまる見え」 茜「どうしたんだろ、っていうかこの指輪もなんなんだろうね」 茜母「明日にでもまた行ってみましょうか? おばあさんのとこ」 茜「やっぱりお母さんも気になってた?」 茜母「いや、あんな立派な一軒家に見た所一人で住んでるっぽいし、相当小金溜め込んでそうじゃない」 茜母「どうせ現状でも私たちに関心ないんなら、嫌われるの覚悟で接近してみましょうよ」 茜「…………を母さん」 茜母「仲良くなって損はないでしょう。もしかしたら毎日肉じゃがになるかもよ?」 199 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 21 03 54.09 ID 80JtczJw0 茜「……毎日肉じゃが、それは嬉しいなぁ」ジュル ???「あのぉ……」 茜「ふぇ?」ジュルリ ???「やっぱり、夜は家に泊まって下さいよ」 茜母「……伊藤さん?」 茜(そうだよそうだけど! そうだけど疑問形はやめてぇぇぇ!) 茜母「さっきも言ったと思いますが、私たちはここで良いんですよ」 茜母「挨拶に回ったほとんどのお家が伊藤さんと同じように泊まりなよと言ってくれました」 茜母「でも、そこまで甘えられません。伊藤さんたちが良くても私たちが悪い」 茜「わわ、私も同じですっ! そそ、そんなに甘えられないっ! ………です」 200 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 21 05 12.43 ID 80JtczJw0 伊藤さん「そのことは他のみんなから聞きました」 伊藤さん「正直、みんな、私も心配してるんですけど、三浦さんがそう言ってしまったらこっちも無理に言えませんよ、でも」 茜母「伊藤さんは伊藤さんの生活があるんだらか、そちらを優先させるべきです」 伊藤「……………………はい。で、でもっ!」 茜母「?」 伊藤「夜だけは私の家に泊まって下さい。女性二人で夜の公園にいるなんて危険です!」 茜母「ああ、それなら心配いりませんよ。三浦家は最強ですから」 伊藤「…………ええ?」 茜母「それに、娘なんて見ての通りこの体格。私ほどではないにしろ自分の身を守る程度ならこの子だって造作なくこなします」 茜(体格のこと言わないでぇぇぇ……) 202 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 21 06 21.66 ID 80JtczJw0 伊藤「でででも、でもやっぱり心配ですよっ! この公園、毎日暴走族が集まるんです」 茜母「それは初耳」 茜(ホント、初耳) 伊藤「人数も多くて、みんな困ってるんです。子供も怖がって公園に行きたくないって」 茜母「それで、日中誰も公園にいなかったんですね」 伊藤「だから、夜だけでも家に……」 茜母「……伊藤さん」 伊藤「ははいっ!?」 茜母「安心して、家に戻って下さい」 伊藤「ええっ!? どうしてっ!」 茜母「フッ……言ったでしょう? 最強だって。私たちの敵は空腹と雨風だけですよ。勿論、だからって泊めてもらおうとは思いません、絶対に」 204 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 21 08 18.93 ID 80JtczJw0 その時、伊藤の奥さんは見えるはずのないものを目にしていた。 それはいわゆるオーラ。三浦家の奥さんの全身から湯気のように湧き出る力の塊のようなそれは、 言葉に一層の力強さを含ませ、有無を言うことを不可能にさせた。 伊藤「…………うう、うっ」ブルブル 茜「すすす、すいませんっ! 伊藤さんっ! ほんとにほんとに大丈夫なんです! 心配ないんですっ!」 茜母「夜に集まってくるのなら、伊藤さんだってここにいては危険でしょうに。伊藤さんこそ無理せず家へお戻り下さい」 伊藤「…………わ、分かりました。私は、い、家に、戻ります」スタ……スタ 茜母「ああと、伊藤さん」 伊藤「ふぁあっふぁいっ! なんでしょうっ!」 茜母「…………肉じゃが、とっても美味しかったですよ。ありがとう」 伊藤「……ふぇ? そそそ、そんな///」 207 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 21 09 51.28 ID 80JtczJw0 茜母「………………よし、これを機にもっとご近所さんに恩を売っとこう」 茜「やっぱりそれが目的か…………」 茜母「実際、私らにはチンピラ退治なんてちょろいもんなんだし、やっといて損はないでしょう」 茜「そうなんだろうけど…………やっぱり暴力はいけないよぉ」 茜母「血気盛んな両親から生まれたくせに何を言うか」 茜「私は血の気なんて多くないもんっ! 低血圧だもんっ!」 茜母「おっと…………お出ましみたいだぞ」 208 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 21 12 37.56 ID 80JtczJw0 暴1「なんだなんだぁ!? 今日はあのババアじゃねえのかよっ!」ブロロロロ 茜母「ざっと20人弱ってとこね。見慣れた人数だわ」 暴2「ここは俺らが集会に使ってんだよぉ! 邪魔だからさっさと消えろよ!」 茜「うわわぁ…………分かりやすく荒々しい。嫌だなぁ、怖いなぁ」 茜母「まだましよ、ああいう分かりやすいやつらは。むしろ可愛くて更正させたくなっちゃう」 DQN1「おい、なあなあ、あの子めちゃくちゃ可愛くね? 超やりてえんだけど」 DQN2「うはマジだ! お持ち帰りしようぜ! 俺別にこの公園とか興味ねえしw」 茜母「私はこういう強いやつらとつるんでるだけの、なんか知らんがやかましいやつらのが嫌いだわ」 茜母「私からすりゃ全員弱いんだけど」 DQN3「おばさんが何か言ってますけど、え?何? 誰のこと言ってんですか?」 DQN2「知らねえよwお前のことじゃねえのwwつうかなんだよあの段ボールww」 DQN3「こいつらもしかしてホームレスなんじゃねえのwwwっつうか完全ホームレスだろww」 DQN1「ホームレスとかwwwじゃあ金出せば簡単にやらせてくれんじゃね?www」 210 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 21 17 23.35 ID 80JtczJw0 茜「お、お、お下品…………」 茜母「おばさんって言われとるし、多分私のこと言ってるんじゃないんだろうな。 茜母「全部茜のことか…………はあ」 茜母「最低でも同じ年代のおば様たちよりは若くて綺麗だとは思ってたけど、やっぱり年は取りたくないねぇ」 DQN1「さっさと俺らだけあのピンクの女お持ち帰りしちまおうぜwww」 茜「………………グスッ、ピンク言わないでぇ…………エグッ」 茜母「ピンクは仕方ないわよね、地毛なんだし」 暴3「おい聞いてんのかコラァ!! 痛い目見ねえうちに消えやがれぇ!!」 217 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 21 20 30.38 ID 80JtczJw0 茜母「でもこの体はあの方だけのもの。なんと言われようが他人にやる気は無いわっ!」 暴3「おい聞いてんのかコラァ!! 痛い目見ねえうちに消えやがれぇ!!」 茜「あんまり娘の前でそういうこと言わないでよっ! 恥ずかしいよっ!」 茜母「あんたも良い旦那見つけるのよ」 茜「お父さん、外国で傭兵なんてして連絡くれないじゃんっ! 私たちこんな目にあってるのにっ! 連絡もくれないっ!」 DQN4「おーい、なんか段ボールの家に変なラッパあったぞー」 DQN3「おっww何それおもしれえwwちょっと吹いてみようぜwww」 茜母「………………死にたくなかったらそのユーフォニアムから手を離せ」 DQN4「ひっ」 220 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 21 24 37.15 ID 80JtczJw0 217 やべえここセリフ破綻した。 217の最初の母ちゃんのセリフは、 210の「年は取りたくないねぇ」の中に『女としての魅力がなくなっちゃったのかな』 っていう心情を繋ぐ続きのセリフだと思ってくれ。マジすまん 223 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 21 29 52.05 ID 80JtczJw0 反射的に息が止まる。友人に呼びかけた直後で、息を吐ききった直後なんて関係ない。 DQN4は今まであの小柄な(桃色の髪を持つ女に比べだが)女のいた場所が、 巻き上がった土埃だけになっていることに今更気づく。そしてその後だ、 ようやく後ろにその女がいることに気づいたのは。今思えば後ろから声が聞こえてきたその時に分かるものだが、 あまりの速さと常識を逸した出来事に、無意識に理解すること放棄していた。 そしてまだ、呼吸が出来ない。少しでも動くことが自分の後ろにいる化物を怒らせることになるかもしれないと思うと、 可能なら心臓の鼓動さえ止まって欲しいと願ってしまう。 茜母「………………だめだ。もうだめだ。可愛い子ならともかく、こんな下衆に私たちの大事なユーフォニアム触られた。悪いけど、私のこと、そんなできた大人だと思わない方が良いよ。茜、こいつらのこと本気で潰していいや」 茜「ブチ切れてるのお母さんじゃん!! なんでそこで私任せだっ!」エグッ……グス 茜母「まだ泣いてるのか茜は、ピンク可愛いじゃんよ」 茜「…………私まだ手加減の仕方分らないもんっ! 暴力やだもんっ!」 茜「それに今っ! 気持ちが乱れてて力の制御出来ないよ!」 茜「多分ここにいる人たち戸籍しか残らなくなっちゃうよっ!」 茜母「私がやったら戸籍も残らねえよ!!!!」 茜「………………ううっ」ビリビリ 225 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 21 35 01.60 ID 80JtczJw0 母親の理不尽過ぎる一括が、茜から逆らうという選択を消去させた。 同時に、恐ろしいほど冷静になる茜。 茜「……分かった、じゃあ、始めます」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 暴1~16「あなたの暴力っぷりに惚れました! 是非とも俺たちの姉御として族同士の抗争に参戦して下さい!」 DQN1~4「……………………」 茜「い、い、い、いや、その、えっと、うええ…………」プルプル 茜母「許してくれお前ら。この子、男に滅法弱いんだよ。特に同年代の男にはね」 暴1(頭)「大姉御がそういうなら仕方ありませんっ!」 茜母「姉御でも大姉御でもねえって 茜(口調変わってるよお母さん) 茜母「あっそうだ」 226 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 21 36 12.94 ID 80JtczJw0 暴1(頭)「はっ、何でございましょう」 茜母「さっきまでずっと説教してたから分かってると思うが…………」 暴1(頭)「分ってますよ大姉御! いいかてめえらぁ! 誠意持ってここら一帯の住民さんたちにあやまんぞぉ!」 暴2~16「おおぉぉぉ!!」 暴1(頭)「こいつらはまた変なことしねえように見張っときますんで!」 DQN1~4「………………」 茜母「ああ、よろしく頼む」 暴1(頭)「では、お騒がせして申し訳ありませんでした!」ブロロロ 茜母「あっそうだ」 暴1(頭)「はいなんでございましょう!!」 茜母「お前らさ、最初にババアじゃねえのかとか言ってたよな? あれ何?」 暴1(頭)「ああ、そのことですね………………」 230 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/17(水) 21 41 50.89 ID 80JtczJw0 ここで一旦終了。 「最強」って設定を強調してみました。ほんとすいませんですた。 なんか、すげえ進んでてビックリしたぞwwwwみんなGJ過ぎwww また、ちょっと経ったら投下します。 今度は茜の「女の子」を出していけたらいいなと。 今読んだらお母さん主人公みてえだな。
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59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [↓] :2010/03/24(水) 02 11 09.10 ID nk38oXM10 ~ご馳走~ 「よいしょっと……」 休日は、近所のお店のお手伝い。 楽な仕事じゃないけれど、お店の人は優しい人ばかり。 「ふう……」 荷物を運び終わって一息入れようかとした瞬間、声をかけられた。 「ほれっ、一息つきな」 声と同時に私にポイっと投げられたのは、冷えた缶コーヒー。 私は情景反射的にそれを受け取る。 「それは、おいちゃんのおごりだ」 店のおじさんが笑いながら言う。 「あ……、す、すみません……。いつも……」 「気にしないでええ。茜ちゃんが手伝ってくれるおかげで、おいちゃんも楽できるしな」 そう言って、がはははははっと豪快に笑う。 その笑顔に釣られ、私もニコニコと笑うとコーヒーをご馳走になった。 しばらく二人で話しているとお店の方から声がする。 どうやら、私を呼んでいるみたい。 「おお、呼んでるみたいやな。いっとおいで」 「あ、す、すみません……」 「気にしすぎや。もちっと図太くても罰は当たらんと思うで……」 おじさんは、そう言うと私から空き缶を取り上げる。 どうやら捨てておくから、急いでいって来いという事らしい。 私は素直にその好意に甘える事にした。 61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [↓] :2010/03/24(水) 02 14 07.74 ID nk38oXM10 お店の方に行くと、おばさんが私を見つけこっちに来るように手招く。 「す、すみません……」 私が慌てて近づいてそう言うと、おばさんは困った顔をした。 「あー、そのすぐに誤る癖は直した方がいいよ。世の中、悪いやつばかりだからねぇ」 多分、しみじみとそういうおばさんの顔を私はきょとんとした顔で見ていたのだろう。 すぐおばさんは苦笑いを浮かべて苦笑する。 「いけないねぇ。どうも茜ちゃんを見てると世話焼きたくなっちまって小言か増えてしまうねぇ」 「そ、そんな。わ、私……うれしいです」 それは私の本当の気持ち。 そんな私の言葉に、おばさんはにこりと笑う。 「そうかい?それならいいんだけどね」 「えーっと、用事なんでしょうか?」 私も照れてしまい、雰囲気を変えようかと思って聞き返す。 「あー、そうだったね。今日は、もうあがっていいよ。お疲れ様」 「でも、時間より30分早いです……」 不安そうに聞く私の言葉に、おばさんはくすりと笑う。 「今日は、あの荷物運びで仕事終わりだったんだよ。だから、問題ないよ」 その言葉に、私はほっとする。 よかった。首じゃないんだ。 「そうなんですか。じゃあ、お先に失礼します」 62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [↓] :2010/03/24(水) 02 16 09.48 ID nk38oXM10 そう言って着替えるために事務所の方に向かおうとすると私の前にずぃっと買い物袋が差し出された。 袋の中には、お弁当やパンや惣菜なんかが入れてある。 「え?!」 驚く私に、おばさんが苦笑して言う。 「賞味期限切れや賞味期限切れ寸前のものばかりだけどさ、よかったらお食べ」 「あ……、ありがとうございます」 自然と感謝の言葉が口から出る。 「いいさ。どうせ捨てるか、私ら夫婦で食べるぐらいしか出来ないからね」 おばさんの気遣いの言葉に感謝し、私は袋を受け取って再び感謝の言葉を述べる。 「気にしないでいいよ。それより、明日もがんばっておくれよ」 その言葉に、私は大きく答えた。 「はいっ、がんばりますっ」 そして、その日の夕食と次の日の朝食は、とても豪華なものになったのだった。 おわり